和訳版Abstract | 目的:直腸癌手術では内腸骨血管の分枝について解剖学的な理解が重要である。今回、内腸骨血管の分枝パターンについて検討した。 方法:当施設で両側側方郭清を伴う鏡視下直腸癌手術を実施した30症例を対象とした。 CT画像をもとに作成した3Dシミュレーションと手術ビデオから上殿動静脈、下殿動静脈、内陰部動静脈、および閉鎖動静脈の分枝について後方視的に検討した。 結果:上殿動脈の85%が内腸骨動脈から分枝し、下殿動脈の80%と閉鎖動脈の87%が内陰部動脈から分枝していた。上殿静脈の67%が内腸骨静脈から分枝し、下殿静脈の95%と閉鎖静脈の95%が内陰部静脈から分枝していた。静脈について右側と左側で分枝パターンに有意な差を認めず、内腸骨血管の分枝パターンが典型的であれば、動脈と静脈、右側と左側に良好な相関関係を認めた。 結論:内腸骨血管の分枝する血管について動脈と静脈、右側と左側のそれぞれの頻度が明らかになった |
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