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Original Research Articles
Volume 7 Issue 3 Pages 196-205

Risk Factors and Predictive Biomarkers for Anastomotic Leakage after Colorectal Cancer Surgery with the Double Stapling Technique
(大腸癌手術時のDST吻合における縫合不全の危険因子・予測因子の検討)

和訳版Abstract 【目的】吻合部漏出(AL)は罹患率、死亡率、予後不良に関連する重篤な合併症である。左側大腸癌手術の再建で行われるDouble stapling technique(DST)吻合における縫合不全の危険因子・予測因子について検討した。
【方法】2012年4月から2021年7月までに当院でDST吻合を行った331例を対象とし、単変量および多変量解析を用いて縫合不全のリスク因子を後方視的に解析した。また術後の炎症反応が予測因子となるか検討した。
【結果】縫合不全を28例(8.5%)に認めた。多変量解析で男性、糖尿病、下腸間膜動脈の根部切離が危険因子であった。第3と第7病日のCRP値が縫合不全の独立した予測因子であった(第3病日CRP OR; 95 % CI 1.134; 1.044?1.232、p = 0.003、第7病日CRP 1.154; 1.036?1.286、p = 0.009)。第3病日と第7病日のCRPのカットオフ値はそれぞれ10.91mg/dl(感度 71.4%、特異度 83.5%、陽性的中率 29.0%、陰性的中率 96.9%)、4.58mg/dl(感度 82.1%、特異度 87.2%、陽性的中率 37.7%、陰性的中率 98.1%)であった。
【結語】DST吻合を伴う大腸癌手術において、男性、糖尿病、下腸間膜動脈の根部切離が縫合不全の危険因子であった。第3病日と第7病日のCRP値が縫合不全の予測因子であった。