和訳版Abstract | 目的:ストーマ脱出(SP)は人工肛門の合併症の一つであり、患者のQOLを損なう可能性がある。そこで横行結腸双孔式人工肛門造設術後のSPの発生を予防するために、SPの危険因子を検討した。 方法:2016年1月から2020年12月に横行結腸双孔式人工肛門造設術を受けた患者を対象とした。SPの危険因子について後向きに解析を行った。 結果:SPは84例中11例(13.0%)に発症した。SP発症までの期間中央値は術後99日であった。単変量解析では、ストーマ造設が右側、周術期化学療法、抗VEGF抗体投与が有意にSP発症と関連していた。多変量解析では、ストーマ造設が右側であることが独立した危険因子であった(オッズ比5.07;95%信頼区間1.12-22.86)。 結論:多変量解析によりストーマ造設部位が右側であることが横行結腸双孔式人工肛門造設術のSPの危険因子であることが示された。横行結腸で双孔式人工肛門を造設する際には、SPを予防するために患者左側でストーマ造設を考慮すべきである。 |
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