和訳版Abstract | 背景 転移性進行大腸癌抗EGFR抗体薬治療例において、不応時にRAS遺伝子が耐性を獲得すること、また組織と血清でのRAS遺伝子が異なることがしばしば報告されており、このようなbiomarkerの空間的時間的不均一性は考慮する必要がある。我々は進行大腸癌におけるRAS/BRAFの空間的時間的不均一性を明らかにするためにLiquid biopsyを用いた2種類の観察研究を開始した。 試験デザイン RAS-traceは組織でRAS/BRAF野生型と診断された進行再発大腸癌患者を対象にPlasma-SeqSenseiTM CRC RUO Kit (Sysmex Inostics GmbH)を用いてctDNA RAS/BRAF/PIK3CAの変異の有無を4-12週毎に測定する前向き観察研究である。Primary endpointは血中RAS遺伝子変異時期であり、42例の登録を終了している。RAS-trace-2は組織でRAS/BRAF遺伝子野生型と診断された未治療進行再発大腸癌患者を対象として、組織と血漿RAS/BRAF遺伝子野生型と変異型における抗EGFR抗体薬の有効性の相違について前向きに検討する。Primary endpointは血漿RAS/BRAF遺伝子野生型と変異型の無増悪生存期間である。登録期間2年で約240例の登録を予定している。 結語 これらの観察研究により、RAS/BRAFや他のbiomarkerの時間的空間的不均一性の臨床的な意義が明らかになり、抗EGFR抗体薬のさらなる最適化につながる可能性がある。 RAS-trace: jRCT1050210160, RAS-trace-2: jRCT1050230049. |
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