Risk Factors of Postoperative Complication and Hospital Mortality after Colorectal Perforation Surgery

https://doi.org/10.23922/jarc.2023-056

和訳版Abstract	目的: 大腸穿孔は、合併症の発生率と死亡率が高い疾患である。今回我々は、大腸穿孔に対し緊急手術を施行した症例の様々な臨床的特性を検証し、術後合併症と院内死の危険因子について検討した。方法：当科にて大腸穿孔に対し緊急手術を施行された147例の症例のデータを後方視的に検討した。Inflammation-based prognostic score（IBPS）を含むさまざまな臨床因子および手術因子を調査し、大腸穿孔による術後合併症および在院死の危険因子を評価した。結果: 対象症例 147 名のうち、最も頻度の高い術後合併症は創感染 (32 例、21.8%) で、次いで腹腔内膿瘍 (27 例、18.4%) であった。発症から手術までの期間が 2 日以上 (ハザード比 [HR] = 2.810、p = 0.0383)、およびPrognostic nutritional index (PNI) < 30 (HR = 3.190、p = 0.0488) が腹腔内膿瘍の危険因子として同定された。一方、好中球リンパ球比 (NLR) < 6.15 (HR = 5.020、p = 0.0009) は、創感染の危険因子として同定された。発症から手術までの期間が 2 日以上 (HR = 7.713、p = 0.0492)、重篤な術後合併症 (Clavien-Dindo Grade ? IIIa) (HR = 10.98、p = 0.0281)、および血小板リンパ球比 (PLR) < 144 ( HR = 18.84、p = 0.0190) は院内死の独立した予後不良因子であった。結論：発症から手術までの時間、およびPNI、NLR、PLRなどのIBPSは、大腸穿孔による術後合併症や病院死亡と関連している可能性が示唆された。

和訳版Abstract

目的: 大腸穿孔は、合併症の発生率と死亡率が高い疾患である。今回我々は、大腸穿孔に対し緊急手術を施行した症例の様々な臨床的特性を検証し、術後合併症と院内死の危険因子について検討した。
方法：当科にて大腸穿孔に対し緊急手術を施行された147例の症例のデータを後方視的に検討した。Inflammation-based prognostic score（IBPS）を含むさまざまな臨床因子および手術因子を調査し、大腸穿孔による術後合併症および在院死の危険因子を評価した。
結果: 対象症例 147 名のうち、最も頻度の高い術後合併症は創感染 (32 例、21.8%) で、次いで腹腔内膿瘍 (27 例、18.4%) であった。発症から手術までの期間が 2 日以上 (ハザード比 [HR] = 2.810、p = 0.0383)、およびPrognostic nutritional index (PNI) < 30 (HR = 3.190、p = 0.0488) が腹腔内膿瘍の危険因子として同定された。一方、好中球リンパ球比 (NLR) < 6.15 (HR = 5.020、p = 0.0009) は、創感染の危険因子として同定された。発症から手術までの期間が 2 日以上 (HR = 7.713、p = 0.0492)、重篤な術後合併症 (Clavien-Dindo Grade ? IIIa) (HR = 10.98、p = 0.0281)、および血小板リンパ球比 (PLR) < 144 ( HR = 18.84、p = 0.0190) は院内死の独立した予後不良因子であった。
結論：発症から手術までの時間、およびPNI、NLR、PLRなどのIBPSは、大腸穿孔による術後合併症や病院死亡と関連している可能性が示唆された。

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