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Original Research Articles
Volume 8 Issue 2 Pages 102-110

Does Neoadjuvant Chemoradiotherapy Have an Additional Effect to Lateral Pelvic Lymph Node Dissection for Rectal Cancer?

和訳版Abstract 目的
本邦における切除可能下部進行直腸癌に対する標準治療は、側方リンパ節郭清(LLND)を伴う全直腸間膜切除(TME)である。近年、本邦の複数の施設で術前(化学)放射線療法(n(C)RT)が追加され、治療成績の向上が報告されている。本研究では、現行の本邦標準治療(TME+LLND)にnCRTを追加することの有益性を検討した。
方法
2006年から2019年に下部進行直腸癌に対して、TME+LLNDを施行した患者72例を後ろ向きに検討した。
結果
57例(79.1%)にnCRTを施行した。患者背景に関して、cT因子がnCRT群で進行していた。両群間で術後合併症の発生に関して、有意差はなかった。nCRT群の5年局所再発率は、非nCRT群より有意に低値であった(4.0%対26.6%、p=0.002)。多変量解析により、TME+LLNDを施行した患者において、nCRTを施行しないことは局所再発の独立した危険因子であった(ハザード比:6.04、p=0.04)。
結論
LLNDを伴うTMEを施行した下部進行直腸癌において、術前nCRTは局所再発をより制御できる可能性がある。