和訳版Abstract | 目的: 閉塞性大腸癌に対する大腸ステント(self-expandable metallic stent : SEMS)留置が神経周囲浸潤(Perineural invasion :PNI)を増加させ, 予後を悪化させるか明らかにする。 方法: 原発巣を切除したpT3/pT4の結腸癌患者1022例を後方視的に検討した。 大腸閉塞なし群 (A群)(n=693), 大腸閉塞SEMS留置なし群 (B群)(n=251), 大腸閉塞SEMS留置あり(C群)(n=78)に分け, 各群におけるPNI率やSEMS留置から手術までの期間との相関を検討した。 また生存に対する影響も解析した。 結果: 多変量解析でSEMS留置(ハザード比 [HR]2.08)はPNIと独立に相関した。 PNIはA群, B群, C群でそれぞれ39%, 45%, 68%に認めたが、SEMS留置から手術までの期間との関連はなく、ステント留置期間が長くなっても壁外まで進展するPNIの割合も増加しなかった。 5年OSは, A群, B群,C群で86%, 77%, 73%であった。 多変量解析で大腸閉塞はOS低下の独立した危険因子(HR:1.57)であったが, SEMS留置は相関がなかった。 結論: 大腸閉塞群の中で比較するとSEMS留置の有無は生存予後に影響がなく、閉塞性大腸癌に対してSEMS留置は治療選択肢の1つとなりうる。 |
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