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Original Research Articles
Volume 8 Issue 3 Pages 188-194

Decreased Positive Fecal Occult Blood Tests and Delayed Medical Presentation for Colorectal Cancer during the Initial COVID-19 Pandemic Period: A Single-center Experience

和訳版Abstract 2019年4月から2021年3月の2年間に大腸癌に対して手術を施行した235例を対象とし,COVID-19が大腸癌治療に与えた影響をパンデミック前後の2群に分けて比較検討した.受診動機;便潜血陽性の割合が流行期で有意に少なかった. 有症状の場合,発症から初回医療機関受診までの期間が流行期で有意に長かったが,一次医療機関を経由した場合の(当科受診までの期間は同等であった.癌進行度;初診時亜腸閉塞状態である割合が流行期で有意に多かったが,癌進行度に有意差は認めなかった. 手術成績;鏡視下手術率は両期間において同等で,手術時間は流行期で有意に長かったが,入院期間に差はなかった.予後;全生存期間と無再発生存期間に差はなかった.以上からCOVID-19 流行期では受診動機が便潜血陽性から有症状へと変化し,亜腸閉塞割合が増加したが,病期や手術アプローチの変化には至らなかった.発症から医療機関受診までの期間は延長したが,一次医療機関から当科受診までの期間は同等で,COVID-19流行期においても病診連携は十分に機能していたと考えられた.また長期予後に及ぶまでの影響は認めなかった.