和訳版Abstract | 目的:完全直腸脱に対して経会陰的手術として施行したAltemeier法とDelorme法を受けた患者における術後再発のリスクを明らかにすることを目的とした。 方法:2008年4月から2021年9月までに完全直腸脱に対してAltemeier法とDelorme法を受けた患者127例を対象とした。再発群と非再発群に分け、単変量解析と多変量解析を行い、7つの独立変数を用いた。(年齢、BMI、直腸脱に対する外科的修復歴、他臓器脱の併存、術前排便造影検査での直腸の固定不良、脱出腸管長、術式の種類(Altemeier法またはDelorme法))。 結果:観察期間中央値453(9-3616)日の間に51例(40.1%)に術後再発を認めた。再発群(n=51)と非再発群(n=76)を比較すると、単変量解析では他臓器脱の併存に関して有意差を認めた(p=0.017)。多変量解析では、BMI(OR 1.18、95%CI 1.030-1.350、p=0.020)、他臓器脱の併存(OR 3.38、95%CI 1.200-9.500、p=0.021)、脱出腸管長(OR 1.030、95%CI 1.010-1.060、p=0.015)、術前排便造影検査での直腸の固定不良(OR 0.332、95%CI 0.129-0.852、p=0.022)、術式の種類においてDelorme法(OR 0.192、95%CI 0.064-0.573、p=0.003)で統計学的有意差を認めた。 結論:本研究は、BMIの増加、他臓器脱の併存、脱出腸管長、排便造影検査における直腸の固定不良、およびDelorme法が完全直腸脱の経会陰的手術後の再発リスク因子である可能性が示唆された。 |
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