和訳版Abstract | 目的: S状結腸軸捻転症(Sigmoid Volvulus, 以下SV)に対する経肛門イレウス管 (Transanal Decompression Tube, 以下TDT)による減圧療法の有効性を検討する. 方法: 2008年から 2021年の間に受診した72例(計109回の入院)SV患者を対象とした. 結果: 来院時に敗血症性ショックを呈した3例では減圧処置を行わなかった. 残りの69例のうち11例で待機的手術が行われ, 2例は手術を拒否した. TDTにより改善した53例のうち, 14例(26.4%)で再発を認め, 再発までの期間の中央値(範囲)は603(43-2714)日, 早期再発は認めなかった. 非手術的減圧を行った計106回のうちTDTによる減圧は97回(91.5%)行われ,合併症は認めなかった. 待機的手術を行わなかった81回におけるTDTによる減圧期間の中央値(範囲)は5日(2~11日)であった. Cox比例ハザード回帰モデルでは,SVの既往歴のみが再発と関連していた(ハザード比3.60,95%信頼区間1.24-10.46,p = 0.02)。 結論: SVに対するTDTによる減圧療法は安全かつ有効で, SVの再発を低下させる可能性がある. |
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