和訳版Abstract | 目的 本研究では,体内吻合を行いPfannenstiel切開創(PI)から検体摘出した症例と正中切開(MI)から検体摘出し体外吻合を行った症例の腹壁瘢痕ヘルニアの発生率を比較検討した。 方法 腹腔鏡またはロボット支援下で結腸切除術を施行した370例を対象とした。腹壁瘢痕ヘルニアは臨床症状にかかわらず,腹部CTによるサーベイランスで行った。傾向スコアマッチング(PSM)を用いて,手術成績と腹壁瘢痕ヘルニアの発生率を後方視的に比較検討した。 結果 PI群は87例,MI群は283例であった。 PSM後,各群から71例ずつが選択された。観察期間の中央値は,PI群で572日,MI群で1110日であった。PI群では腹壁瘢痕ヘルニアの発生は認められず,MI群では14%に認められた。PI群では腹壁瘢痕ヘルニアが有意に少ないことが示された(p=0.0014)。手術から切開ヘルニア発生までの期間の中央値は295日であった。両群で術後合併症の発生率に差は認めなかった。 結論 腹壁瘢痕ヘルニアの発生率が減少することから,術中の検体摘出はPfannenstiel切開創から行うことが望ましい。 |
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