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Original Research Articles
Volume 8 Issue 4 Pages 316-322

A Study on Lymph Node Distribution in the Main Lymph Node Area for Left-sided Colon Cancer

和訳版Abstract 進行左側大腸癌では下腸間膜動脈(IMA)根部での血管処理が確実な主リンパ節郭清のために推奨される。本研究の目的はIMA周囲のリンパ節の分布を明らかにし,リンパ節郭清に最も重要な部位を同定することを目的とした。本研究では2022年1月から6月までに単一施設でIMA根部の血管処理による主リンパ節郭清を伴う左側大腸癌の30症例を対象とした。摘出された腸間膜から主リンパ節郭清領域をIMA,左結腸動脈(LCA),下腸間膜静脈(IMV)を含めて分離し,ホルマリン固定後に組織を全割しヘマトキシリン・エオジン染色した。各血管と各リンパ節の位置関係を顕微鏡的に評価した。

30例中26例で主リンパ節を認め,IMAから各リンパ節までの距離の中央値は7.61mm(1.87~43.26mm)であった。IMA根部からLCA分岐部までを3分割してリンパ節の分布を確認すると,LCA分岐部よりの2/3の領域にリンパ節の82%を認めた。またIMAは神経鞘に囲まれていたが,すべてのリンパ節はこの神経鞘の外側に分布していた。

左側大腸癌では主リンパ節のほとんどがLCA分岐部周辺にあり,確実な主リンパ節郭清においてこの領域の郭清が重要である。