和訳版Abstract | これまで外痔核切除術とALTA硬化療法を組み合わせた術式(EA法)の長期成績に関する報告はない.そこでEAの有効性と安全性を明らかにし,EAが従来の痔核切除術に伴う術後合併症を軽減するかを検討した.対象はgrade II-IVの痔核に対してEAを施行した3,403例とした.手術は仙骨硬膜外麻酔下で行った.3方向の主痔核のうち,内痔核と外痔核が混在した混合痔核にはEAを適用し,外痔核を伴わない内痔核にはALTA単独療法を適用した.EAはその実施個数によって3パターン(EA1,EA2,EA3)に分類され,EA1が最も多く1,789例(52.6%),次いでEA2(36.2%),EA3(11.2%)の順であった.術後合併症は120例(3.5%)にみられ,術後早期は発熱と出血が多く,1ヵ月以降は肛門周囲膿瘍や痔瘻が多かった.術後の平均経過観察期間は26.4ヵ月で,136例(4.0%)が内痔核または混合痔核の再発のために再手術を受けた.EA1の再手術率はEA2やEA3よりも有意に高かった.5年,10年累積無再発率は,それぞれ92.5%,67.2%であった.EAは従来の痔核切除術と同等の根治性があり,術後の合併症は少なかった.よってEAは混合痔核に対する有用な術式である. |
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