和訳版Abstract | 目的:当科におけるStage IV大腸癌の治療成績を検討し、長期生存に寄与する因子を明らかにする。 方法:2008年1月から2015年12月までに当科で治療を開始したStage IV大腸癌149例の検査所見、病理所見、治療法、長期成績について後向きに検討を行った。 結果:観察期間中央値は23カ月で、74例は初診時に原発巣、転移巣ともに切除可能、75例は切除不能と判断された。治療期間中、149例中74例にR0/1切除が施行された。全体の5年全生存率は35%で、R0/1切除群の5年生存率は非R0/1切除群より有意に良好であった(57% vs 6%,p<0.001)。またR0/1切除群では周術期化学療法が5年全生存率を改善した(62% vs 0%,p=0.03)。一方、非R0/1切除群では原発巣切除が3年全生存率を改善した(20.4% vs 0%,p=0.026)。多変量解析では、分化型、R0/1切除、分子標的薬の併用が独立した予後良好因子であった。 結語:R0切除可能なStage IV大腸癌に対しては積極的なR0切除と周術期化学療法、R0切除不可能な症例に対しては原発巣切除が予後改善に寄与する可能性が示唆された。 |
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