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Original Research Articles
Volume 2 Issue 1 Pages 25-30

Incidence and risk factor of outlet obstruction after construction of ileostomy
(回腸瘻造設後outlet obstruction発生に関する危険因子の検討)

和訳版Abstract 【背景と目的】
超低位前方切除や回腸嚢肛門吻合の際は縫合不全発生率が高いため、一時的な回腸瘻作成が行われることが多い。回腸瘻は結腸人工肛門と比し閉鎖術がやりやすい反面、多量の排液による脱水症をきたす場合やoutlet obstructionと言われるストマからの排出障害を起こし、管理に難渋することがある。当科での回腸瘻作成例の検討からoutlet obstruction発生の危険因子を検索することを目的とした。
【対象と方法】
2010年から2015年までに当科で回腸瘻を作成した107例を対象として、Outlet obstructionの発生頻度、危険因子を検討した。
【結果】
Outlet obstructionは18例(16.8%)に発生していた。単変量解析では、結腸全摘例、左側作成例、腹腔鏡手術例で有意に多いという結果であった。多変量解析では独立した危険因子は抽出されなかった。
【結語】
 回腸瘻造設後のoutlet obstructionは頻度の高い合併症である。結腸全摘例で多く発生していたが、独立した危険因子は今回の検討では明らかなにはできなかった。