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Case Report
Volume 2 Issue 1 Pages 31-35

Anal Canal Duplication Associated with Presacral Cyst in an Adult

和訳版Abstract 肛門管重複症(ACD)は稀な先天性疾患で、通常幼少期に診断される。今回、67歳の女性に発症した仙骨前嚢胞を伴うACDを経験した。理学的診察で肛門の後方正中に外口を認めた。瘻孔造影、肛門管超音波検査、MRIの画像検査では直腸と交通がなく盲端となった瘻管と直腸後方に仙骨前嚢胞を描出した。瘻管と仙骨前嚢胞を一塊に外科的に摘出した。病理検査では平滑筋伴う扁平上皮細胞を認め、ACDと診断した。術後経過は良好で4年経過し再発は認めない。ACDは小児期のみならず、成人でも発見されうる。画像検査はACDの診断や術前評価に有用である。したがって、特に女性で、肛門後方に外口を認めた場合は、成人であってもACDを鑑別診断にあげるべきである。もしACDを疑われたらACDとその合併疾患を見つけるために積極的に画像診断を行い、瘻孔感染や悪性変化を防ぐために外科的切除を行うべきである。