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Review Article
Volume 9 Issue 1 Pages 10-19

Management of Anal Fistula with Crohn’s Disease

和訳版Abstract クローン病は、消化器症状や全身症状を伴い、肛門痛を伴う肛門周囲瘻孔を引き起こす疾患である。頻発する下痢や直腸潰瘍は肛門周囲膿瘍や瘻孔の悪化を引き起こし、特にクローン病合併痔瘻(PFCD)は疼痛や排膿を繰り返し、患者のQOLを大きく損なう。
かつてPFCDに対しては根治手術が行われていたが、肛門括約筋の機能低下のリスクがあるため、現在は抗生物質や免疫抑制薬を用いた保存療法が第一選択肢である。インフリキシマブやアダリムマブなどの抗TNF-α抗体製剤の導入により治療成績が向上し、さらにセルトリズマブ ペゴル、ウステキヌマブ、ベドリズマブといった新たな生物学的製剤の有効性も示されている。これらの薬剤は、痔瘻の再発予防において維持療法として有効と考えられる。
近年では、生物学的製剤に加えて分子標的薬や間葉系幹細胞を用いた再生医療も治療選択肢に加わった。これらの治療法の有効性についてガイドラインやコンセンサスステートメントを引用し紹介する。