和訳版Abstract | 目的:肛門管扁平上皮癌(SCCA)に対する標準治療は化学放射線療法であり、手術適応となる症例は限定されるため、今後は病理組織学的検討が制限される。本研究では原発腫瘍の進行度やリンパ節転移の有無における病理組織学的な関連性を明らかにすることを目的とした。 方法:SCCAに関する多施設共同コホート研究において、外科的リンパ節郭清を施行した84例を対象として、原発腫瘍T因子および壁深達度とリンパ節転移(領域・領域外リンパ節)の関連性、さらにリンパ節郭清効果を検討した。 結果:原発腫瘍の進行度は鼠径リンパ節および下腸間膜幹/根リンパ節(領域外リンパ節)の転移・再発との関連を認めた。下腸間膜幹/根リンパ節に対する郭清効果指数は6.9で、側方リンパ節の4.0より高かった。 結論:原発腫瘍の進行度は鼠径リンパ節および下腸間膜幹/根リンパ節の転移・再発の予測因子となる可能性がある。また、UICC TNM分類では領域外リンパ節とされる下腸間膜幹/根リンパ節を積極的に治療対象とすることで予後改善が期待できる。 |
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