和訳版Abstract | 目的 腹腔鏡下結腸切除術における、自動縫合器を用いた体腔内吻合手技(Totally Stapled Intracorporeal Anastomosis: TSIA)の短期成績を、従来の自動縫合器を用いた体腔外吻合手技(Totally Stapled Extracorporeal Anastomosis: TSEA)と比較検討した。 方法 TSIA、TSEAの手術手技を示しつつ、2018年6月から2021年8月までに腹腔鏡下結腸切除術を受けた59例(TSIA群23例 TSEA群36例)の臨床データを後ろ向きに収集した。さらに傾向スコアマッチングを行い、背景因子調整後、両群17例ずつで短期成績を比較検討した。 結果 TSIA群はTSEA群に比べて出血量(10 vs 20 mL, p<0.002)、皮膚切開長(4 vs 6 cm, p<0.001)、術後入院期間(6 vs 7日, p<0.001)が有意に少なく、短かった。また、術後1日目、3日目、6日目のCRPの上昇値もTSIA群で有意に低かった(p=0.016, p=0.011, p=0.012)。 結論 TSIAはTSEAと比較して、簡便で低侵襲な手術手技であり、短期成績においても、出血量、創長、術後在院日数においてTSEAよりも優れていた。 |
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