和訳版Abstract | 目的:大腸癌同時性腹膜転移(以下mCRC-SPM)患者における原発巣切除(以下PTR)後の予後に影響するリスク因子を明らかにする。 対象と方法:大腸癌研究会プロジェクト 「大腸癌腹膜播種のGrading 」に登録されたmCRC-SPM症例のうちPTRが施行された112例を抽出し解析した。 結果:112例のうち29例(25.9%)でR0切除が行われていた。手術関連死はなく、術後合併症(Clavien-Dindo分類≧grade2)は20例(17.9%)に認められた。PTR群は非PTR群より有意に予後が良好であった。多変量解析では、年齢75歳以上、直腸癌、肝転移、高PCI、非治癒的切除、全身化学療法未施行が、PTR後の患者の予後不良と関連していた。 結論:限局性腹膜播種を有するmCRC-SPM患者においてPTRは積極的に考慮することができる。しかし、75歳以上、直腸癌、肝転移、高PCI、非治癒的切除、全身化学療法未施行は、PTRによる予後を低下させる因子であった。 |
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