和訳版Abstract | 目的:血清パラメータから簡便に算出できる炎症予後スコアが、様々な癌腫の予後と関連することが報告されている。なかでも、CRP、アルブミン、リンパ球数から算出されるCALLY indexが有用な予後指標となる可能性が報告されている。本研究では、Stage I~III期の大腸癌根治切除術後患者の予後因子を、炎症予後スコアを含めた各因子を検討することを目的とした。 方法:2010年4月から2018年12月に根治的切除術を受けたStage I~III期の大腸癌患者608例を対象に、単施設後方視的解析を実施した。加えて、多施設共同研究であるHiroshima Surgical study Group of Clinical Oncologyのデータベースを用いて、同様の背景を有する1,659例の患者を対象とし、解析を行った。 結果: 検討した炎症予後スコアのうち、CALLY index低値のみがStage I~III期の大腸癌根治切除術後患者の独立した予後不良因子であった。CALLY indexは、患者の年齢、全身状態、併存疾患、腫瘍因子と関連しており、CALLY index低値の患者は、単施設・多施設研究ともに、全生存率および無再発生存率が有意に不良であった。 結論:術前CALLY indexは、Stage I~III期の大腸癌患根治切除術後患者の長期予後を予測する上で、有用な独立予測因子であることが示された。 |
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