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Case Report
Volume 9 Issue 1 Pages 162-165

Efficacy of Endoscopic Evaluation and Hemostatic Intervention for Post-hemorrhoidectomy Bleeding(痔核切除後出血に対する内視鏡的評価と止血処置の有効性)

和訳版Abstract 痔核根治手術後の出血(post-hemorrhoidectomy bleeding, 以下PHB)は、肛門管内の視認性が低く、ジャックナイフ位の影響で血液が貯留しやすく、しばしば止血が困難である。本研究では、PHB時に内視鏡を用いた観察と止血が可能かを検討した。3年間の観察研究期間で、バイタルサインが正常で、無麻酔で内視鏡挿入が可能と判断されたPHB6例に対し内視鏡観察をおこなった。5例で動脈性出血を確認し、1例は自然止血していた。動脈性出血はすべて内視鏡的クリッピングで止血でき、平均処置時間は14.7分で、有害事象や再出血は認めなかった。本手技の優れた点は2点ある。側臥位観察の影響で血液が口側直腸へ流れ、出血部位が明確に観察することができること。また、内視鏡の近接効果により、半閉鎖部の離開や虚血性潰瘍からの出血を詳細に確認し、ピンポイントでクリップ止血が可能であること。この2点において、PHBに対する優れた手技であると考えた。