和訳版Abstract | 目的:下部直腸癌手術では縫合不全の回避のため一時的回腸人工肛門造設を行うが、合併症としてStoma outlet obstruction(SOO)がある。SOOは入院期間の延長、術後補助療法の遅延を来たし患者予後を悪化させる可能性がある。当院での一時的回腸人工肛門造設症例を後方視的に検討しSOOのリスク因子を評価した。 方法:2013-2023年に直腸癌手術で一時的回腸人工肛門を造設した症例で、臨床病理学的因子や短期予後をSOO合併の有無で比較し、得られた独立因子でSOOの予測スコアを作成した。 結果:107例中21例(19.6%)にSOOを認め、全例が男性だった。年齢(≧67歳, p=0.002)、腹直筋厚(≧13.5mm, p<0.001)、術後3日以内のstoma排液量≧1500ml/日(p<0.001)はSOOの独立した危険因子だった。各因子と性別に点数を加算し作成した予測スコアは、感度76.2%、特異度89.5%でSOOを予測した。 結論:年齢、性別、腹直筋厚、術後早期のHigh output syndrome(HOS)はSOOの危険因子である。スコアモデルはSOO予測に有用と考える。 |
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