Case Report
Volume 9 Issue 2 Pages 270-275
Eosinophilic Myenteric Ganglionitis as a Cause of Digestive Tract Perforation
和訳版Abstract |
好酸球性腸管神経節炎(EMG)の病因は依然として不明である。上行結腸穿孔に対し回腸ストーマ造設および横行結腸粘膜瘻造設を伴う結腸右半切除術を施行した62歳男性の症例を報告する。病理所見では、アウエルバッハ神経叢に高度な好酸球浸潤と外縦筋層から漿膜下層にかけての線維化がみられ、偽性腸閉塞およびEMGに関連した腸管内圧の上昇が穿孔の要因と考えられた。好酸球浸潤は穿孔部位にとどまらず、切除された腸管全体に及んでいた。術後4か月目にストーマ閉鎖術を施行し、その際、創外に露出していた回腸および結腸の一部を切除した。注目すべきことに、初回手術後に薬物治療を一切行っていないにもかかわらず、切除標本ではアウエルバッハ神経叢に好酸球浸潤を認めなかった。患者はその後2年以上にわたり症状なく経過している。本症例は、EMGにおけるアウエルバッハ神経叢への好酸球浸潤の経時的変化と外科治療の有効性を示唆する初めての報告である。 |