和訳版Abstract | 【目的】 cT1b大腸癌に対するconventional ESD(C-ESD)と計画的hybrid ESD(PH-ESD)を後ろ向きに比較し、十分な粘膜下層確保が可能な内視鏡切除法を検討した。 【方法】 20~30mmのcT1b大腸癌71例を対象とし、C-ESD群(38例)、PH-ESD群(21例)、Salvage hybrid ESD群(12例)に分類した。C-ESD群とPH-ESD群別に臨床病理学的特徴と治療成績を比較検討し、また全症例を対象にVM陽性の関連因子を検討した。 【結果】 PH-ESD群はC-ESD群と比べ、術時間が有意に短く(40.5分 vs. 60.5分)、VM ≧500μmの割合が有意に高かった(81.0% vs. 47.4%)。表面型腫瘍では、PH-ESD群でSM切除距離(1,243μm vs. 837μm)とVM距離(545μm vs. 302μm)が有意に長く、VM ≧500μmの割合も有意に高かった(72.7% vs. 14.3%)。VM陽性例は、全例C-ESD群かSalvage hybrid ESD群であり、浸潤先進部低分化の割合(71.9% vs. 14.3%)と術中穿孔率(28.6% vs. 0%)がVM陰性例に比べ有意に高かった。 【結論】 20~30mmのT1b大腸癌に対するPH-ESDは、特に表面型病変での処置時間短縮とSM切除距離およびVM ≧500μmの確保の点で、C-ESDより有用な可能性がある。 |
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