和訳版Abstract | 直腸癌における直腸傍リンパ節転移の有無は、予後や治療方針に大きく関与する重要な因子であり、術前評価の精度向上が求められている。本研究では、術前磁気共鳴画像(MRI)を用いた直腸傍リンパ節転移の予測における有用なカットオフ値を明らかにすることを目的とし、2015年4月から2023年12月に当院で原発切除術および術前MRIを施行した直腸癌67例を対象に解析を行った。MRIでのリンパ節の長径および短径と病理所見との関連を検討し、ROC解析により最適カットオフ値を算出した。従来の8 mm基準では感度0.63、特異度0.54であり、ROC解析により長径6.9 mm、短径4.8 mm、短径/長径比0.83が最適とされ、AUCはそれぞれ0.81、0.86、0.60であった。長径7 mm以上、短径5 mm以上は転移予測に有用であり、短径5 mmは術前診断精度の向上に資する指標と考えられた。 |
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