和訳版Abstract | 本研究は、大腸癌根治手術後のStage IIおよびIII患者359例を対象に、術前血液検査由来のバイオマーカーであるフィブリノーゲン・アルブミン比(FAR)が再発の独立予測因子となり得るか、競合リスクモデルを用いて検討しました。 主要評価項目は大腸癌の再発(局所再発または遠隔転移)とし、好中球リンパ球比(NLR)、予後栄養指数(PNI)、癌胎児性抗原(CEA)と比較しました。Fine-Grayハザード回帰による最小のAICおよびBICに基づき、FARのカットオフ値を0.131と設定しました。 Gray検定ではFARを含む全てのバイオマーカーで再発との有意な相関が認められ(p<0.05)、Fine-Grayハザード回帰の多変量解析では、FAR > 0.131が独立した再発因子であることが示されました(HR 2.048, 95%信頼区間: 1.070-3.919, p=0.030)。 本研究は、競合リスクモデルを用いた分析により、術前FAR高値が大腸癌術後の独立した再発因子であることを初めて報告するものです。FARの利点である臨床的意義の数値化を増幅させ、これまでの研究の限界を克服し、より精度の高いカットオフ値が導き出されたと考察しています。 |
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