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Original Research Articles
Volume 9 Issue 4 Pages 378-384

Short-term Outcomes and Associated Factors of Postoperative Complications following Laparoscopic Ileocecal Resection in Complex Crohn’s Disease

和訳版Abstract 目的:クローン病(CD)に対する低侵襲手術(MIS)は広く行われているが、複雑性CDにおける有用性は議論がある。本研究は、複雑性CDに対する腹腔鏡下回盲部切除術の短期成績を評価し、主要合併症に関連する因子を明らかにすることを目的とした。

方法:複雑性CDで腹腔鏡下回盲部切除を施行した患者を対象とした後方視的研究を行い、過去の腸手術歴のある症例は除外した。腹腔鏡群(LS)と開腹群(OS)間で手術時間、出血量、合併症、入院期間を比較し、主要合併症(Clavien-Dindo分類3以上)に関連する因子を単変量解析で検討した。

結果:対象101例(LS群21例、OS群80例)において、LS群は出血量(140 vs. 222.5 mL, P=0.048)および術後入院期間(12 vs. 15日, P=0.0068)が有意に少なく、開腹移行例はなかった。主要合併症発生率は4.8%で、群間差は認めなかった。単変量解析では、術前膿瘍形成(P=0.048)および術中出血量の増加(P=0.020)が主要合併症に有意に関連した。

結論:腹腔鏡下回盲部切除術は複雑性CDにおいても安全かつ有用であり、出血量と入院期間の短縮が得られるが、膿瘍と出血管理が合併症回避の鍵となる。