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Original Research Articles
Volume 9 Issue 4 Pages 385-397

Clinicopathological Features by Differentiation and Prognostic Factors in Anal Canal Carcinoma

和訳版Abstract 目的:組織型別に肛門管癌の分化度に基づく臨床病理学的特徴を提示し、分化度が予後に影響するかを明らかにすることを目的とした。
方法:大腸癌研究会「全国大腸癌登録事業」で登録された腺癌患者597例および大腸癌研究会プロジェクト研究「肛門管癌の病態解明とStagingに関する研究」で登録された扁平上皮癌患者151例を対象とした。
結果:腺癌の臨床病理学的特徴は、直腸癌の分化度別の特徴と類似していた。一方、扁平上皮癌の臨床病理学的特徴は分化度別による特徴の差異を認めなかった。分化度は腺癌では予後因子であった(Hazard ratio:1.91, 95%CI:1.22-3.01, p=0.0043)が、扁平上皮癌では予後因子ではなかった。
結論:肛門管癌において腺癌では分化度は予後因子であり、治療戦略上考慮すべきである。扁平上皮癌では分化度は予後因子でなく、現時点では治療戦略に影響はないと考えられるが、今後、さらなる検討が必要である。