| 和訳版Abstract | BEACON療法(セツキシマブ、エンコラフェニブ、ビニメチニブ併用)は、BRAF変異を有する転移性大腸癌に対する有効な治療法である。一方で、眼科的有害事象である漿液性網膜剥離(serous retinal detachment: SRD)が比較的高頻度に生じる可能性があるが、大腸癌領域では十分に認識されていない毒性である。今回、BEACON療法開始直後にSRDを発症した3症例を経験したため報告する。2例はビニメチニブ開始翌日、1例は4日目に一過性の視覚障害を呈し、いずれも光干渉断層計でSRDを確認した。治療中断により全例で改善し、2例はビニメチニブを中止して二剤併用療法に移行、1例は減量再開後に再燃し、最終的にビニメチニブは1週投与・1週休薬で管理した。いずれも不可逆的視覚障害は認めず、モニタリングプロトコルにより早期診断と迅速な対応が可能であった。BEACON療法施行時には、早期の定期的な眼科的評価と適切な用量調整が重要である。 |
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