| 和訳版Abstract | 肛門瘻管内に結石を伴う症例は極めて稀であり、その成因はいまだ明らかではない。今回われわれは、内肛門括約筋間瘻に結石を認めた2例を経験したため報告する。2症例のいずれも術前の内肛門超音波検査にて瘻管内の高エコー結節と音響陰影を確認し、結石の存在が疑われた。痔瘻根治手術を行い、同時に結石を摘出した。化学分析では主成分はリン酸カルシウムであった。痔瘻瘻管内結石は、慢性的炎症や膿汁の停滞が異栄養性石灰化を促進しることで形成されると考えられる。今後さらなる症例の蓄積と機序の解明が必要だが、瘻管内結石が再発性膿瘍や難治性痔瘻の原因となる可能性も考えられ、肛門超音波検査で検索を行うことは有用と考えられた。 |
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