J-STAGEでJARCを見る
検索(複数の項目で絞り込みが可能です)

 リセット(戻る)

Original Research Articles
Volume 9 Issue 4 Pages 447-454

Postoperative Gut Microbiota Changes after Colorectal Cancer Surgery:A Comparative Study Based on Resection Sites

和訳版Abstract 大腸癌(CRC)は世界的な健康課題であり,外科的切除が主要な治療法であるが,術式の違いによる腸内細菌叢への影響は十分に解明されていない。本研究では,右半結腸切除(RSC),左半結腸切除(LSC),低位前方切除(LAR)の3術式後における腸内細菌叢の変化を比較検討した。2022年4月から2023年12月に藤田医科大学病院で根治切除を受けたCRC患者34例の便を16S rRNAシーケンスで解析し,健常者85例と比較した。その結果,手術群はいずれも健常群と菌叢構成が有意に異なり,特にRSC群ではおそらくは回盲弁喪失に関連して多様性が低下し,有益菌の減少と大腸菌の増加を認めた。一方,LSCおよびLAR群ではAkkermansia muciniphilaの増加がみられ,腸管バリア機能や免疫調節への関与が示唆された。CRC切除は部位特異的な菌叢変化を誘発し,術後炎症や代謝,癌再発に影響する可能性がある。