| 和訳版Abstract | 本研究の目的は、BMI25kg/m2以上の大腸癌患者において、腹腔鏡下結腸切除術から開腹手術へ移行する要因を明らかにし、その長期予後への影響を検討することである。日本内視鏡外科学会の多施設共同研究として、BMI25kg/m2以上の887例を対象に臨床病理学的因子を解析した。LASSO法による変数選択後、ロジスティック回帰分析でリスク因子を同定し、逆確率重み付け(IPW)法により長期成績を比較した。その結果、31例(3.5%)が開腹移行を要し、多変量解析ではBMI≧27.5kg/m2、高血圧、出血量、隣接臓器合併切除が独立したリスク因子であった。IPW解析後、開腹移行の有無で再発無病生存率、癌特異的生存率、全生存率に有意差は認められなかった。これらの因子を有する肥満患者では開腹移行の可能性を考慮すべきであり、開腹移行は長期予後に悪影響を及ぼさないことが示唆された。 |
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