J-STAGEでJARCを見る
検索(複数の項目で絞り込みが可能です)

 リセット(戻る)

Original Research Articles
Volume 2 Issue 3 Pages 97-102

Short-term outcomes of endoscopic submucosal dissection versus laparoscopic surgery for colorectal neoplasms: An observational study
(大腸腫瘍に対する内視鏡的粘膜下層剥離術と腹腔鏡手術の短期成績:観察研究)

和訳版Abstract 【目的】内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic Submucosal Dissection: ESD)と腹腔鏡手術(Laparoscopic Surgery: LS)により、大腸腫瘍に対する治療は低侵襲化してきている。しかし、SM深部浸潤をきたしていない腫瘍に対するESDとLSの比較はほとんどない。【対象と方法】2005年11月~2015年12月にESDもしくはLSを施行し、術前にSM深部浸潤と診断した症例を除外した132例を対象とし、治療成績をretrospectiveに検討した。【結果】ESD群を95例、LS群を37例認めた。ESD群はLS群と比較し、直腸腫瘍が多く、手術時間と術後在院日数が短かった。ESD群の穿孔率は前期で14.8%、後期で2.9%であった。結腸ESDの穿孔例は、全例内視鏡の操作性が不良であった。直腸ESD群は結腸ESD群と比較し腫瘍径が大きかったが、直腸ESD群の穿孔と後出血はともに3.2%であった。LS群の適応はESD困難が最も多く、LS群で重篤な術後合併症はまれであった。【結語】結腸腫瘍では、前期においてはESDが困難であればLSを考慮すべきである。直腸腫瘍では、腫瘍径が大きくてもESDが望ましい。