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Original Research Articles
Volume 2 Issue 4 Pages 130-138

Analysis of Deep Posterior Anal Fistulas by Magnetic Resonance Imaging: Site of Primary Abscess and Extension Patterns According to the Primary Abscess Depth
(MRIによる深部後方痔瘻の解析-原発巣膿瘍の存在部位と原発巣の深さによる進展様式の違い-)

和訳版Abstract 【目的】深部後方痔瘻の原発巣膿瘍の存在部位ならびに原発巣の深さによる進展様式の違いに関して,MRIを用いた解析によって証明すること.
【方法】のべ176例の深部後方痔瘻の手術症例を,MRIで確認した原発巣膿瘍の深さが浅外肛門括約筋レベルのものと深外肛門括約筋レベルものに分けて解析した.
【結果】肛門中心から原発巣膿瘍中心までの距離は,肛門中心から外肛門括約筋後端までの距離,ならびに45°方向の外肛門括約筋の半径よりも有意に小さかった.深外肛門括約筋レベルに原発巣を持つ痔瘻は,浅外肛門括約筋レベルに原発巣を持つ痔瘻よりも,有意により外側で外肛門括約筋を穿破して,有意により外側に二次口を形成していた.再手術例を除いた検討でも同様の結果であった.
【結論】深部後方痔瘻の原発巣膿瘍はかつて言われたCourtney腔ではなく,後方の内外肛門括約筋間もしくはそれに連続する破壊された外肛門括約筋内に存在する.