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Original Research Articles
Volume 2 Issue 4 Pages 155-161

Colonoscopy in Patients Aged 85 Years or Older: An Observational Study
(85歳以上の超高齢者に対する大腸内視鏡検査の検討)

和訳版Abstract 目的:85歳以上の超高齢者に対する大腸内視鏡検査の効果、安全性について検討する。
対象と方法:2010年9月からの2年間に、本邦2施設で大腸内視鏡検査を受けた85歳以上の患者を対象とした。盲腸到達率、病変の発見率、処置、有害事象、予後について検討した。
結果:177例(男72、女105)に対し、計202回の内視鏡検査(盲腸到達率92%)が行なわれ、浸潤癌が12%(T1 2%、T2以深 9%)に認められた。便潜血検査陽性、貧血、血便、便通異常の精査では約20%に癌が発見されたが、切除後サーベイランスや軽度の腹部症状では癌は認められなかった。大腸癌29例に対し、外科切除22例、内視鏡切除2例が行なわれ、5例では併存疾患のため切除されなかった。検査、処置に起因する有害事象は認めなかった。平均730日の観察期間中に27人が死亡したが、大腸癌死は3例のみであった。
結語:85歳以上の超高齢者に対しても大腸内視鏡検査は安全に施行できた。癌発見率は高いが、多くは切除可能であった。