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Original Research Articles
Volume 3 Issue 2 Pages 73-77

Comparative outcomes between palliative ileostomy and colostomy in patients with malignant large bowel obstruction

和訳版Abstract 目的:進行・再発癌による大腸における腸閉塞の症状緩和を目的にストーマの造設を考慮する場合に結腸か回腸のどちらが適しているのかは不明である。本研究では、両者の治療成績を後方視的に比較検討した。

方法:2005年1月から2016年12月の間で、種々の進行・再発癌による大腸の腸閉塞患者82例を対象に、回腸ストーマ群(I群、n=33)と結腸ストーマ群(C群、n=49)の短期治療成績を比較した。

結果:82例全例で症状の改善が得られたが、I群の3例で術死を認めた。手術時間(p=0.045)、出血量(p=0.037)は、I群で有意に低値であったが、手術関連合併症の発生率、経口開始までの期間、術後在院日数では両群に差はなかった。ストーマ関連合併症は、全体で32.9%(27/82)であったが、I群で有意に高く(p=0.014)、特にストーマからの排泄過多と皮膚障害が高率であった。

結論:緩和ストーマでは、ストーマ関連合併症からみて回腸より結腸での造設が適していることが示唆された。回腸ストーマを造設する場合には、合併症防止にむけた積極的な介入が必要と考えられた。