和訳版Abstract | 大腸癌の10-20%は閉塞のため悪性大腸閉塞malignant colonic obstruction (MCO)を呈する。MCOは電解質異常、大腸壊死、bacterial translocationなどから死亡に至る可能性があるため早急な減圧処置が望まれる。MCOに対する大腸ステントは2012年に保険収載されてから標準的な手技の一つとなった。本レビューでは大腸ステントの現状と将来展望について記載した。現在の大腸ステントの適応はMCOであり、緩和目的では人工肛門を伴う緊急手術の回避とともに留置後の患者の高いquality of lifeが報告されている。また術前のbridge to surgery (BTS)では、緊急手術と比較して周術期の合併症・死亡率減少、人工肛門造設率の減少、入院期間の減少などが報告されている。ただし長期予後に対する影響の有無のエビデンスがまだ不足しており今後の研究結果が待たれる。 |
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