和訳版Abstract | 栄養状態は癌患者の予後に影響を及ぼすことが報告されている。本研究では予後栄養指数(prognostic nutritional index; PNI)と大腸癌の予後との関係について検討し、個々の患者に応じた新規予後予測モデルの構築を目的とした。2011年10月から2012年12月までに当施設にて根治切除を受けた大腸癌患者189人を対象とした。PNIは中央値を基準として、high-PNI (?46)群とlow-PNI (<46)群に分けて検討した。Low-PNI群はhigh-PNI群に比べ、無病再発期間(DFS)と全生存期間(OS)の有意な短縮を認めた。多変量解析ではlow PNIは大腸癌の再発、死亡に関する独立危険因子であった。DFS及びOSに関して、これら独立危険因子を用いて作成したノモグラムのc-indexは、各々0.828、0.756であった。PNIを含めた臨床病理学的因子より構築したノモグラムは、大腸癌患者の個々に応じた予後予測を行える可能性がある。 |
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