和訳版Abstract | 当科にて2004年1月から2009年12月に初回大腸内視鏡検査を行い,5年以上経過観察した大腸微小ポリープを有する80歳以上の高齢者105例を対象として,治療適応病変(径6mm以上の腺腫,表面陥凹型腫瘍,V型pit patternを呈する病変)および癌の累積発生率を検討した。経過観察中に治療適応病変を16例に認め,累積発生率は20%(95%信頼区間:12-32%)であったが,85歳以降では治療適応病変を認めなかった。初回大腸内視鏡検査時に粘膜内癌切除群では,治療適応病変なし群と比較して治療適応病変の累積発生率は有意に高かった(p<0.01)。サーベイランス中に粘膜内癌を2例に認め(76歳,79歳),粘膜内癌の累積発生率は1.9%(95%信頼区間:0.5-7.3%)で,80歳以降に癌の発生例を認めなかった。浸潤癌は1例も認めなかった。以上の結果から,大腸微小ポリープを有する80歳以上の高齢者では,サーベイランス大腸内視鏡検査の中止を許容できる可能性があると考えられた。 |
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