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Original Research Articles
Volume 3 Issue 4 Pages 143-151

Impact of Preoperative Skeletal Muscle Mass and Quality on the Survival of Elderly Patients After Curative Resection of Colorectal Cancer
(高齢者大腸癌の予後に対する筋肉の量と質の影響)

和訳版Abstract 目的:筋肉量の低下(サルコペニア)は、多くの消化器手術にて予後因子と報告されている。しかし筋肉の質の予後への影響はまだはっきりしていない。今回本論文では高齢者の治癒切除大腸癌症例の予後に対する筋肉の量と筋肉の質の影響を検討した。
方法:75歳以上の治癒切除可能であった腫瘍占拠部位が盲腸から直腸S状部までの142例を対象とした。PMI(筋肉の量)は臍のレベルの腸腰筋面積から算出、IMAC(筋肉の質)は同じレベルの多裂筋のCT値から算出した。
結果:生存期間、無再発生存期間はlow PMI (筋肉量の少ない症例)はnormal PMI(筋肉量が少なくない症例)にくらべ悪く、high IMAC(筋肉の質の低い症例)もnormal IMAC(筋肉の質が低くない症例)にくらべ悪かった。PMIとIMACは生存期間に対してそれぞれが独立した予後因子であり、IMACは再発に対して予後因子であった。
結語:高齢者大腸癌の治癒症例において筋肉の量や質は予後因子であった。