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Original Research Articles
Volume 3 Issue 4 Pages 160-166

Clinical efficacy of Japanese herbal medicine daikenchuto in the management of fecal incontinence: A single-center,observational study
(便失禁症状に対する大建中湯の効果: 単施設観察研究)

和訳版Abstract 【目的】大建中湯(daikenchuto: DKT)の投与によって便失禁症状や肛門括約筋機能が改善するかを検討した。【対象と方法】2012年1月から2016年12月に便失禁を主訴に受診してDKT単剤による治療を行った157例(平均73.6歳、女性117例)を対象とした。DKTはエキス顆粒7.5g(1日量)を3回に分けて食前に経口投与し、治療前と治療後1カ月のデータを比較した。【結果】便失禁スコア(Cleveland Clinic Incontinence Score)の平均値は10.4 ± 4.5から8.4 ± 5.4に有意に改善した。肛門最大静止圧(mmHg)も28.3 ± 12.6から33.6 ± 15.2に有意に上昇した。またDKTによって便形状が適正化する傾向が認められた。観察期間中にDKTによる副作用は1例も認めなかった。【結論】DKTが便失禁症状の改善に有用であることが示唆された。