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Original Research Articles
Volume 3 Issue 3 Pages 121-127

Colorectal surgery in patients with prior pancreaticoduodenectomy

和訳版Abstract 【はじめに】膵頭十二指腸切除術(以下PD)後の大腸癌手術は、術後の癒着と複雑な再建法により困難な事が多い。PD後の大腸癌手術について検討した。

【対象/方法】当院で経験した大腸癌手術1727例の中で既往にPDをもつ患者10例をPD群、PD群と同じ術式を施行された開腹手術歴のない280例をコントロール群として手術成績や術後経過について検証した。さらに、PD群とコントロール群を右側/左側症例に分別しこれについても比較検討した。

【結果】PD群は郭清リンパ数が優位に少なかった。PD群の右側結腸症例は切除腸管距離が優位に短かった。PD群は術後合併症の頻度が高かった。PD群の中には術中に膵臓癌の腹膜播種を認めた症例や、術後に難治性の腹水を認めた症例もあったが、治癒切除できた症例は全例無再発生存中である。

【結語】PD後の大腸癌手術は郭清が困難で術後合併症の頻度が優位に多かったが、治癒切除につながる可能性も十分にある。