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Review Article
Volume 4 Issue 1 Pages 14-24

Robotic Surgery for Rectal Cancer: Operative Technique and Review of the Literature

和訳版Abstract 2018年4月の保険収載後、本邦における直腸癌ロボット支援下手術件数は急速に増加している。従来の腹腔鏡手術に比べて安定した術野で多関節機能を有した鉗子を操作するロボット支援下手術は狭い骨盤では特に有用で、より精緻な手技が可能となった。ランダム化比較試験の主要評価項目である開腹移行率では腹腔鏡手術に対するロボット支援下手術の優越性は証明されなかったが、肥満症例・男性症例・括約筋温存手術においてはその有用性が示唆されている。本手術は導入当初からコストが最大の課題であるが、文献的考察では腹腔鏡手術に比して1.3-2.5倍の費用を要しているのが実情である。今後は本邦においても、ランダム化比較試験等により、強固なエビデンスの構築が求められる。本稿では、当院おいて2009年より施行しているda Vinci Surgical System S,Si,Xiを使用した直腸癌ロボット支援下手術に関してその術式を示し、現時点での短期・長期手術成績に関するエビデンスについて概説する。