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Review Article
Volume 4 Issue 2 Pages 47-50

How Far Will Clinical Application of AI Applications Advance for Colorectal Cancer Diagnosis?

和訳版Abstract 昨今、人工知能(AI)の大腸内視鏡への応用が、ディープラーニングの登場と共に加速している。本学術分野では、特に大腸ポリープの検出と質的診断に関する研究が多いが、その一方でより挑戦的な研究領域である「癌の診断」がにわかに脚光をあびている。大腸癌は粘膜下層深部に浸潤すると転移能を獲得すると考えられているため外科的手術が必要となるが、術前の内視鏡検査で深部浸潤を的確に診断することは難しい。その感度は70%に満たないとの報告もあるため、術前の不完全な内視鏡診断が適切な治療選択の障害となっている。このような状況を打破する最新技術として、AIを利用した深達度診断および癌の存在診断に関する研究が注目を集めており、本レビューでは5つの関連研究を紹介する。残念ながら機械学習に使える病変数の不足等により、本研究分野自体はまだ初期段階にあるため、強力なエビデンスをもつ研究は存在しないが、学習症例が今後増え、多数の研究者が参入するにつれ研究分野が成熟すれば、AIの利用は将来の内視鏡医療を抜本から改革する技術となる可能性がある。