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Case Report
Volume 4 Issue 2 Pages 85-88

Evacuatory Dysfunction after Stapled Hemorrhoidopexy: A Case Report of Rectal Pocket Syndrome

和訳版Abstract 症例は60歳男性。10年前、脱肛に対してstapled hemorrhoidopexy(SH)による治療を施行。その直後から排便困難と便意切迫感が出現、症状増悪にて当院紹介となった。CTでは直腸を全周性にとりまく巨大な憩室様の所見を認めた。下部消化管内視鏡検査では直腸とCTで認めた憩室様の部分との交通を認め、その内腔には母指頭大の便塊を認めた。便塊を除去すると患者の便意切迫感が消失。以上のことから、SHによるRectal pocket syndromeと診断し、同部位を下部直腸と一塊に切除、直腸肛門吻合を施行した。同時に一時的回腸双孔式人工肛門を造設、3ヶ月後に閉鎖した。術後、患者の排便困難感と便意切迫感は消失した。自動環状縫合器によるRectal pocket syndromeはSHによるものは2006年に初めて報告され、近年では直腸切除の際のDouble stapling techniqueにおいても同様の報告がなされ、重要な合併症の一つと考えられている。