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Practice Guidelines
Volume 5 Issue 1 Pages 52-66

Japanese Practice Guidelines for Fecal Incontinence Part 1-Definition, Epidemiology, Etiology, Pathophysiology and Causes, Risk Factors, Clinical Evaluations, and Symptomatic Scores and QoL Questionnaire for Clinical Evaluations-English Version

和訳版Abstract ”無意識または自分の意思に反して肛門から便がもれる症状”を便失禁、”無意識または自分の意思に反して肛門からガスがもれる症状”をガス失禁と定義する。便失禁とガス失禁を合わせて肛門失禁と定義する。本邦における65歳以上の便失禁の有症率は男性8.7%,女性6.6%である。便失禁の原因は、ひとつとは限らず複合性であることが多い。便失禁のリスク因子としては年齢・性別などの身体的条件、併存疾患、産科的条件があげられる。便失禁の臨床的初期評価では、病歴聴取と直腸肛門部の診察から個々の症状の原因を想定する。その評価は初期治療を含めたすべての便失禁診療の基本であり、さらに専門的な排便機能検査の必要性を判断し、段階的な治療を選択する基準になる。病歴聴取とともに一般的な全身の診察、肛門診に加えて、便失禁発症にかかわる要因の有無に焦点を置いた直腸肛門部の視診、触診を行う。臨床的評価には、症状の重症度やQOLを評価するスコアーや質問票を使用することは有用である。