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Original Research Articles
Volume 5 Issue 1 Pages 40-45

The Validity of a New Edition of Classification for Ovarian Metastasis from Colorectal Cancer
(大腸癌M1a症例における卵巣転移の位置づけ)

和訳版Abstract 【目的】
大腸癌取扱い規約第9版では,卵巣転移は1臓器への遠隔転移に分類されている。我々は卵巣転移の切除の意義と大腸癌からの卵巣転移に対する大腸癌取扱い規約第9版の妥当性を評価した。
【方法】
大腸癌卵巣転移切除例17例と,卵巣単独転移を除いた女性のStage IV(M1a)大腸癌切除例110例を対象に,臨床病理学的因子と全生存期間を後方視的に解析した。
【結果】
対象のうち,卵巣単独転移例は,卵巣転移と腹膜転移併発例よりも生存期間中央値が長かった(45.4ヵ月 vs. 9.3ヵ月,P = 0.029)。R0切除が可能であった卵巣単独転移例の5年全生存期間は,卵巣単独転移を除いた女性のStage IV(M1a)大腸癌R0切除例と有意差を認めなかった(50% vs. 48%,P = 0.334)。
【結論】
卵巣単独転移例は,卵巣転移と腹膜転移併発例よりも切除術後の予後が有意に良好であることがわかった。卵巣転移のR0切除術後の予後は,その他の1臓器への遠隔転移のR0切除術後と同等であった。したがって,卵巣転移をその他の1臓器への遠隔転移と同様に分類した腸癌取扱い規約第9版は妥当であると思われる。