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Clinical Research
Volume 5 Issue 4 Pages 419-425

Delivery Mode after Ileal Pouch-Anal Anastomosis among Pregnant Women with Ulcerative Colitis
(潰瘍性大腸炎、肛門温存手術後の至適分娩方法)

和訳版Abstract 潰瘍性大腸炎(UC)術後症例の分娩に関連した問題を検討し、推奨分娩方法について検討した。【方法】1987年6月から2018年5月に手術を行ったUC症例にアンケート調査を行った。アンケート内容は分娩後の排便機能変化、分娩に関わる問題点とした。【結果】アンケート回収は45/60(75%)であった。分娩回数はのべ68回で帝王切開64回、経膣分娩4回であった。便失禁は帝王切開7例、経膣分娩1例で悪化を認め、便回数は帝王切開4例、経膣分娩1例で増加を認めたが有意差はなかった。帝王切開後に腸閉塞を11/64 (17.2%)に認め、1例で追加手術治療を要した。経膣分娩の1例(術前に3経膣分娩、術後に1経膣分娩)では分娩5か月後に膣瘻を合併した。【結語】帝王切でも排便機能は低下しうることが明らかとなった。長期的な排便機能、会陰切開、会陰損傷に関する情報が不足し、経膣分娩例が少なく、至適分娩方式の推奨には至らなかった。多施設データ、長期経過を含めたさらなる検討が必要である。