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Case Report
Volume 5 Issue 4 Pages 433-438

Ursodeoxycholic Acid Triggers Primary Enterolith Growth in a Crohn's Disease Patient with Jejunal Stenosis

和訳版Abstract クローン病に伴う原発性腸結石は稀で,その多くは高度の回腸狭窄が原因で発生している。今回,ウルソデオキシコール酸(UDCA)内服中のクローン病患者に軽度の空腸狭窄が原因となって発生した原発性腸結石を経験した。クローン病歴6年,現在臨床的に寛解している62歳の女性が肝機能障害のためUDCAを内服していた。心窩部痛精査で施行したMRIで軽度の空腸狭窄とその口側に腸結石が指摘された。内視鏡的に腸結石を除去することが不可能であり、外科的に除去した。腸結石の成分分析では98 %がUDCAで構成されており、UDCA内服が腸結石発生の誘因と判断し、中止した。本症例は、クローン病患者では軽度の小腸狭窄でも腸結石が発生すること、UDCA内服が腸結石発生の誘因となることを示した。症状が軽微なクローン病患者でも腸結石が発生している可能性があり、画像検査によるフォローが重要と考えられた。また、上部小腸狭窄を有するクローン病患者に対するUDCA投与は慎重にするべきである。